法人保険営業で「顧問税理士の反対」などに巻き込まれること無く最速で効果を出す方法と戦略とは?

事業承継の知識2

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事業承継2

※このページの後半にあるレジュメは、画像をクリックすると全て見ることができます。

③「納税資金不足で、後継者や会社の資金繰りが圧迫する」の回避法

相続税の納税資金を確保する方法


中小企業の財産の大半は自社株です。非上場株式なので評価額が高くても、
換金性は全くありません。

贈与税や相続税が課税された際に、税金はキャッシュで払わないといけない
のですが、自社株の評価額が高いとキャッシュが不足してしまいます。

贈与税や相続税を払うお金を事前に確保しておかないと、後継者が
相続税の延納で長期にわたって資金繰りで苦労することになります。

資金繰りに苦労する経営者はともすると判断が後ろ向きとなり、
会社の業績も下降気味となります。

社長が事業承継を考える際には、後継者の納税資金の確保の方法も
考えておく必要があります。

事業承継においては、納税は申告時に『片付ける』のが原則です。

■納税資金を確保するために有効な5つの方法


 1.保険商品を使って納税資金を確保する

 2.資産組み換えによって納税資金を確保する

 3.自社株式を持株会社に売却する

 4.相続発生後に会社が自社株式を買い取る

 5.戦略的に物納を利用する


生命保険を使って納税資金を確保する

逓増定期保険や長期平準保険などを利用して、会社の節税額を納税原資に
作り変える方法です。

手元に十分なキャッシュがあれば、納税用の資金としても遺産分割用の原資
としても
使うことができます。

詳細は先述した、こちらのページをご参照ください。

time warner


資産組み換えによって納税資金を確保する

遊休資産を税法上の特例を使って、高利回りの資産か流動性の高い資産へ
組み替える方法です。

十分な流動性資産があれば、納税用の資金としても遺産分割用の原資
としても使うことができます。

詳細は先述した、こちらのページをご参照ください。

資産組み換え


自社株を持株会社に売却する

自社株を持株会社に売却

後継者に納税資金を確保するためには、会社の資金を後継者へ移動
しなければなりません。役員報酬で移動すれば、最高税率では50%もの税金が
かかってしまいます。

後継者に移動した資金の半分が、税金で取られてしまうのでは意味がありません。
安い税金コストで資金を移動しなければなりません。

後継者が100%保有する持株会社を作って、後継者が生前贈与された自社株を譲渡
すれば、20%の税率の分離課税だけで資金を後継者へ移動
することができます。
持株会社は買取資金を銀行借入か本体会社からの借入で調達します。
借入金の返済は自社株の配当金で行います。

借入金の返済方法として、高収益の不動産物件を本体会社に貸し付けて
そのキャッシュフローで長期返済をする
という方法もあります。

総合課税では所得が330万を超えれば税率は30%となってしまいます。
この資金移動に伴う20%の税額は比較的安い税金コストになります。


相続発生後に会社が自社株買取

相続発生後に自社株買取

自社株を会社に買い取ってもらうと「みなし配当」が課税されます。
みなし配当の課税は総合課税なので、最高税率は50%に達します。

しかし、相続で自社株式を取得し納付税額が発生する場合には、
取得した自社株を「相続税の申告期限から3年以内」に会社に譲渡
した場合には譲渡課税になります。

株式の譲渡は、税率20%の分離課税なので、税金をかなり抑えて
譲渡することが可能です。

更に、自社株を相続する際に払った相続税を取得費として、取得原価に加算
できるので、譲渡益に対する所得税・住民税が少なくなります。

結果、税率20%以下で会社の資金を後継者へ移動し、納税資金に
充当することができます。

この手法での税金額は「自社株を持株会社に売却する」方法よりも取得費加算の分だけ
軽減される可能性がありますが、「自社株を持株会社に売却する」方法とは異なり、
生前贈与された自社株については適用されません。
早い話が、以前から所有していた自社株はダメなのです。
つまり、相続発生後に買い取った自社株が対象になります。

また、会社法上の財源規制を満たさなければなりません。
十分な分配可能利益が蓄積されていないと、会社法での制約があり買取ができません。
「自社株を持株会社に売却する」場合は、財源規制がありませんので、
極論を言えば、持株会社に欠損金があっても買い取ることが可能
です。


戦略的に物納を利用

戦略的に物納を利用

現金で相続税が払えない場合は、相続税を延納したり不動産や有価証券で物納
することが認められています。

非上場株式も要件を満たせば物納できます。
非上場株式を物納するときは、いったん物納した後で、
会社がその株式を国から買い戻します。

物納した場合のメリットは、
「自社株を持株会社に売却する」方法や「続発生後に会社が自社株買取」する方法
と異なり、譲渡時に一切課税されないということです

メリットが大きい方法ですが、物納が認められるためには、
下記の要件をクリアーしなければなりません。

1 納税者に相続税を払うだけの金銭がなく、且つ、20年の延納によっても
  支払うことが困難であるとみとめられる税額に限り物納が認められる。
2 物納しようとする非上場株式に譲渡制限がなく、且つ、質権担保が設定されていない。
  また、遺産分割に関する争いなの所有権をめぐる争いがなく、共有もされていない。
3 原則として1年以内に買取をすること。


後継者には一定の収入が予定されますので、この条件を満たすのは困難です。

そこでよく使われるのが、一部の自社株を後継者の子、
先代経営者からすると孫に遺贈する方法です。

先代経営者の孫には現金も収入もありませんので、物納が認められます。

孫




④「高額な贈与税や相続税が発生する」の回避法

自社株の評価額を下げる


会社にとって株式とは、会社を支配する権利です。

もしも他人に、会社を支配する権利である株式を所有されてしまったならば、
自分が経営している会社にもかかわらず、会社を追い出されてしまいます。

これってかなり理不尽なことですよね。

ですから、会社をしっかりと経営していくためには、会社を支配する権利
である株式をしっかりと自分で所有することが大切になってきます。

特に事業承継の際には、自社株がきちんと後継者に渡るような対策を講じないと、
後になって、大きな問題に発展することもよくあります。

詳細は先述した、こちらのページをご参照ください。

株価を下げる




役員退職金で自社株の評価額を下げる


社長が在職中に戦略的に退職金を支給して、自社株の株価を引き下げる方法です。

役員退職金は、一般的には次式のように計算されます。

■役員退職金の計算方法

最終月額報酬額×役員の在籍年数×功績倍率(2~3倍)


社長の在籍年数はとても長いので、大きな金額を退職金として支給し、
自社株式の株価を劇的に下げることが可能
となります。

役員報酬が150万円で在籍期間が25年の社長であれば、
次のような計算になります。

退職金=150万円×25年×3倍=11,250万円
となり、1億円以上の退職金が支給可能です。

ここで、自社株の原則的評価方式の一つである「類似業種比準価額」
の計算式をご覧になってください。

自社株評価額計算式


類似業種比準価額で自社株の評価をする場合、「純資産:配当:利益=1:1:3」
となっており、利益は他の要素3倍の評価になっているため、
利益を0にすることが出来れば、自社株式の評価額は劇的に下がります。

自社株の株価が下がった時点で後継者に生前贈与すれば、
少ない税負担で自社株を移転
することができます。

退職金に対して課税される所得税と住民税は、次式で計算した退職所得に
分離課税されます。


退職所得=(退職金-退職所得控除)×1/2


■退職金の課税が大幅に軽減されている3つの理由

●退職所得控除が差し引かれるので、所得が小さくなり
 税負担が軽減される
●所得の1/2に課税されるので、税負担も1/2以下となる
●分離課税なので、税率が低くなり税金が安くなる


役員報酬として支給するよりも、退職金として支給したほうが
税負担はかなり軽減されます。

退職金は後継者以外の相続人への代償用の財産として使えば、
遺産分割をめぐる後継者と他の相続人との争いの防止
に役立ちます。

将来やってくる相続税の納税資金としても利用できます。

中小企業オーナーの遺産のほとんどは自社株です。
会社にたくさんキャッシュがあっても、会社のお金は直接的には、
遺産分割用資産としても納税用資金としても使えません。

そのような目的で使用するためには、会社のキャッシュをオーナー個人に
移転する必要
があります。

社長への退職金支給は、社長個人への資金移動の有効な手段の一つです。

■役員退職金支給のメリット

1 社長の退職金は在籍期間が考慮されるので、多額の支給が可能であり、
  多額の退職金は、自社株の評価を下げる効果がある。評価額が下がった分だけ、
  自社株にかかる贈与税や相続税は低くなる。
2 役員報酬として支給するのに比べ、はるかに所得税の負担割合が低くなり、
  税負担が軽減される。
3 支給された退職金は、後継者以外の相続人の遺産分割用の資産として活用できる。
4 支給された退職金は、将来発生する相続税の納税資金とし活用できる。


退職金




従業員持株会による自社株対策


後継者が自社株を贈与された時や相続した際の評価額は、たいていは
「原則的評価方式による評価額×株式数」となります。

取得する自社株の数が減れば、納税する贈与税額や相続税額は
少なくなります。

評価額が300万円で100株式が発行されており、すべての自社株を社長が
所有していると仮定しましょう。
社長の所有する自社株の評価額は次式のようになります。

■自社株の評価額

300万円×100株=3億円


仮にオーナーの所有する株数を20株減らすことができれば、
6000万円も評価額を引き下げることができます。

自社株を第三者に譲渡すれば経営に介入される恐れがあります。

そこで良く利用されるのが従業員持株会です。
従業員持株会を設立して自社株を所有させれば、経営への介入を
恐れることなく、自社株式の評価額を下げる
ことができます。

従業員持株会とは

従業員持株会とは「従業員の福利厚生」のために設けられた民法上の組合です。
従業員は「自社株を購入」するために持株会に拠出金を出し、
持株会が自社株を購入します。

多くの場合は、数パーセントの奨励金が拠出金に加算されます。
奨励金や株式の配当金が受けられるのが、従業員にとってのメリットです。

従業員持株会のメリット

オーナーが従業員持株会に自社株を譲渡する場合には、
例外的評価方法である配当還元価額で譲渡することができますので、
株式譲渡益は殆ど発生しません。たとえ発生しても少額です。

従業員は民法上の組合を通じて自社株を取得します。
直接所有しているわけではありません。

従業員持株会からの自社株の持ち出しは、規約で禁止できます。

従業員が退職するときも従業員持株会の規約で、自社株を持株会へ譲渡
するように規定できるので、株式が第三者に分散する恐れはありません。
持株会が買い取るときの株価も規約で配当還元方式に定めることができるので、
安く買い戻すことができます。

従業員持株会の理事には通常、会社の経営陣と意思疎通している従業員
が選ばれるので、経営に介入されることもありません。

従業員持株会に持たせた自社株は、非上場である限り第三者への分散の
恐れもありませんし、買い戻す際に高値を要求されることもありません。
議決権を濫用される恐れもありません。

専門書などには「議決制限株式を発行すべき」と書かれていますが、
実際は従業員持株会は「会社の総務が運営」しているため、
反乱を起こされる可能性はほとんどありませんので、
そこまでの必要は無いと思われます。

従業員持株会の運営

従業員の加入を促進するために、従業員持株会が取得する株式は
配当優先株式にすることを考慮しましょう。
奨励金や配当などの魅力がないと従業員の加入率が下がってしまい、
従業員持株会の運営が難しくなってきます。

従業員持株会に実体がないと判断されると租税回避行為と認定される
可能性がありますので注意が必要です。
規約どおりに適正に運営する必要があります。

従業員持株会




投資育成株式会社に対する第三者割当増資


後継者が自社株を贈与された時や相続した際の評価額は、たいていは
「原則的評価方式による評価額×株式数」となります。

取得する自社株の数が減れば、納税する贈与税額や相続税額は
少なくなります。

評価額が300万円で100株式が発行されており、すべての自社株を社長が
所有していると仮定しましょう。
社長の所有する自社株の評価額は次式のようになります。

■自社株の評価額

300万円×100株=3億円


仮にオーナーの所有する株数を20株減らすことができれば、
6000万円も評価額を引き下げることができます。

自社株を第三者に譲渡すれば経営に介入される恐れがあります。

そこで従業員持株会と並んで良く利用されるのが、
投資育成株式会社に対する第三者割当増資です。

投資育成株式会社とは

投資育成株式会社とは、中小企業投資育成株式会社法に基づいて設立された
ベンチャーキャピタルです。詳細はこちらを参照してください。

投資育成会社


中小企業の自己資本の充実を促進し、健全な成長発展を図ることを基本理念とした、
政府系色の強い民間法人です。

経済産業省の厳しい管理下に置かれて、ベンチャーキャピタルのようにやたらと
出口戦略を追い求めることはしません。株式を長期保有してくれます。

東京・大阪・名古屋にあります。

東京中小企業投資育成株式会社は、地方公共団体や金融機関などが出資しており、
約2000社の中小企業に、累計で約100億円の資金を投資しています。

中小企業投資育成株式会社が出資をする際の株式評価額は、次式によって計算されます。
この評価方法は「法人税法上適正な時価」として国税庁も認めています。

■中小企業投資育成株式会社が出資をする際の株式評価額


$$評価算式=\frac{1株あたり予想純利益\times配当性向}{期待利回り}$$
$$※配当性向=\frac{配当金}{当期純利益}$$




投資育成株式会社の出資を受けるメリット

投資育成株式会社からの投資を受けることによって、投資育成株式会社が引受した
分だけ社長の持分比率が減りますので、社長の所有する自社株の評価額を下げる

ことができます。

投資育成株式会社は経済産業省の方針に従い、原則として経営陣の経営判断を
尊重
する姿勢を取っています。

会社法に則って適正に決算書が開示されており、安定的に配当がされている限り、
とても温厚で口うるさく言うことはありません。

中小企業投資育成株式会社




高収益事業を分社化


高収益事業を分社化

高収益事業を分社化することで、自社株式の株価を下げる方法です。

自社株の原則的評価方式の一つである、類似業種比準価額の計算式を
ご覧になってください。↓

自社株評価額計算式


類似業種比準価額で自社株の評価をする場合、「純資産:配当:利益=1:1:3」
となっており、利益は他の要素3倍の評価になっているため、
利益を0にすることが出来れば、自社株式の評価額は劇的に下がります。

ここで会社が、高収益な事業と収益のあまり高くない事業を営んでいると
仮定してみましょう。

高収益な事業を会社分割で子会社化すれば、会社の利益は大幅に減少して
自社株の評価額を大幅に減少
させることができます。

会社分割により高収益部門を子会社化する場合には、組織再編の適格要件
満たさなければ、子会社に事業を移す際に課税されてしまいますが、
この場合は、比較的簡単にグループ内組織再編の適格要件を満たすことが
できます。実行する際には、慎重に適格要件をチェックしてください。

事業譲渡

事業譲渡の仕組み図

後継者が別会社を営んでいる場合には、後継者の会社に高収益事業を
事業譲渡
することによっても、同じ効果を得ることができます。

この場合には、高収益事業が無くなることによって自社株の評価額を
引き下げることができるだけでなく、高収益事業を後継者に承継する
ことができるので、事業承継そのものが実質的に完了
してしまいます。

注意しなければならないのは、事業譲渡する際の営業権の評価です。
高収益事業は、使用されている個々の資産・負債の時価を超えた価値を
有しています。この差額の部分には、無形の価値があり営業権として
測定しなければなりません。

事業譲渡の際には、営業権部分は売却益として計上されます。
営業権は財産評価基本通達やDCF法などを参考にして、
適正に計上する必要があります。

親会社と後継者の会社が一つの親族グループによって100%所有
されているので、グループ法人税制が適用され譲渡益は繰り延べられるので、
法人税・地方税は、課税されません。

株主間については株主価値が移転しているので、
贈与税が課税されます。

平成22年度税制改正によるグループ法人税制については、
詳細はこちらを参照してください。


事業譲渡




合併による自社株対策

合併による自社株対策

今回は、赤字や債務超過の会社を合併することによって自社株の評価額を
引き下げる手法になります。

自社株の原則的評価方式の一つである、類似業種比準価額の計算式を
ご覧になってください。↓

自社株評価額計算式


類似業種比準価額で自社株の評価をする場合、「純資産:配当:利益=1:1:3」
となっており、利益は他の要素3倍の評価になっているため、
利益を0にすることが出来れば、自社株式の評価額は劇的に下がります。

当利益ほど影響は大きくはありませんが、1株当たりの純資産価額を
減少させることにより、株価を下げる
ことができます。

グループ内に赤字の会社や債務超過の会社があれば、業績の良い会社と合併
させる
ことにより、自社株評価額を全体として下げることができす。

赤字の会社や債務超過の会社を、業績の良い会社と合併すれば、
以下の効果を得ることができます。

■赤字・債務超過会社と高業績会社を合併するメリット

1 赤字会社の利益と高業績会社の利益が相殺し、グループ全体の株式の評価額が
  減少する。類似業種比準価額では、赤字はマイナスであっても計算上は0とされ、
  株価はマイナスとなることはありません。合併によって他の会社のプラスの利益を
  減少させることができるので、全体として株式評価額を下げることができます。

2 債務超過会社の債務超過額と、業績の良い会社の純資産が相殺し、グループ全体
  の株式の評価額が減少する。類似業種比準価額では、債務超過額はマイナスで
  あっても計算上は0
とされ株価はマイナスになりません。
  合併によって他の会社のプラスの純資産価額を減少させるので、全体として
  株式評価額を下げることができます。

3 合併による規模の拡大によって、相続税法上の会社区分がより上位となり、
  類似業種比準価額が株式評価額に占める割合が増加することがあります。
  その場合は、1や2のもたらす効果が大きくなります。

4 合併によって株価の低い業種区分に分類されるようになれば、
  大きな自社株引き下げ効果が期待できます。類似業種株価は業種区分によって
  大きな差があるためです。


合併により会社実態に大きく変化があった場合には、類似業種比準価額による評価が
できない場合
があります。生前贈与を実施する場合や相続が近いと判断される場合には、
類似業種比準価額が採用できないほど、実態に変化があったのか否かを判断しましょう。

買収




持株会社による自社株対策


持株会社を作ることによって自社株の評価額を引き下げることができます。

下の図のように、既存の小さな資産管理会社を株式交換によって、
承継しようとしている事業会社の持株会社にする方法です。

持株会社による自社株対策




このスキームを実行することにより、社長はA社の株式を直接的に所有せずに
B社を経由して間接保有
することになります。

B社は規模が小さいため、たいていは小会社に該当します。
小会社の株式評価額は「類似業種比準価額×0.5+純資産価額×0.5」
になります。

A社の業績が好調であっても、B社は資産管理会社なので決算対策により
容易に当期利益を低く抑える
ことができます。

B社の業績が芳しくなければ、B社の当期利益の金額が小さくなるため、
B社の類似業種比準価額株式評価額は低くなります。

株式交換後もA社の業績が伸び続けた場合には、A社の株価は上昇します。
A社はB社により100%保有されているので、株式交換後のA社株式の
株価上昇は、保有会会社のB社の含み益
となります。

純資産価額方式による算定では、含み益の45%を控除できますので
純資産価額による株式評価額も引き下げられます。

結果、社長がA社の株式を直接的に保有している場合に比べて、
自社株式の評価額は大きく引き下げられます。


■注意点

1 B社が小会社であると仮定します。B社における株式等の価額が総資産に占める
  割合が50%以上
となると、株式保有特定会社として、純資産価額方式による
  評価が強制され、株価が高くなってしまうことがあります。
  従って、株式の価額の締める割合が大きくならないように、B社の資産構成を
  長期的に変える必要があります。

2 開業3年未満の会社は、純資産価額方式で評価されます。
  既存の会社で設立後3年以上が経過している会社を活用して、株式交換により
  持株会社とする方が良いでしょう。


持株会社による自社株対策1




自社株の納税猶予制度


相続税に係る自社株の納税猶予制度を利用すれば、議決権の2/3に達する
までの自社株式については、相続税の80%が猶予
されます。

数多くの要件が付されていますが非常にメリットのある制度です。

被相続人・後継者・対象株式・認定対象会社、経済産業大臣への確認・認定、
税務署への届出などについて、詳細な要件が定められています。

自社株に係る贈与税についても、納税猶予制度が設けられており、
一括贈与すれば議決権の2/3に達するまでの自社株については、
贈与税が全額猶予
されます。

贈与税の納税猶予制度についても、相続税の納税猶予制度と同様に、
被相続人・後継者・対象株式・認定対象会社、経済産業大臣への確認・認定、
税務署への届出などについて、詳細な要件が定められています。

これらの制度はどちらも要件は細かいですが、ひとつひとつの要件は、
さほど難しい内容ではありません。

注意が必要なのは、二つの制度ともに事前に経済産業大臣の確認を受ける
必要
があります。事前の確認をしておかないと、あとで納税猶予制度を
利用したいと思っても利用できなくなります。

事前の確認事態は比較的に簡単な手続きなので、納税猶予制度を利用する否かを
決めかねていても、確認をしておいた方が無難でしょう。



納税猶予制度の限界

自社株式の納税猶予制度の要件はとても細かく規定されていますが、
個々の要件はさほど難しいな内容ではないので、一つづつクリアーして
いくことが重要になります。

納税猶予制度を利用する際には、その限界を理解しておく必要があります。

■納税猶予制度の限界

1 適用後5年を経過したあとであっても、自社株式を譲渡した場合には、譲渡した
  株式に対応する猶予税額と利子税は納付しなければなりません。数十年後にM&A
  をしたら、猶予税額の全額と数十年分の利子税を納付しなければなりません。

2 適用後5年を経過したあとであっても会社が資産管理会社に該当することとなった
  場合には、猶予税額の全部と利子税を納付しなければならなくなります。
  5年経過後でも、事業を大幅縮小して会社が資産管理会社に該当したならば、
  全部取り消しになります。

3 適用後5年以内に、自社株式の一部でも譲渡した場合には、猶予税額の全額と
  利子税を納付しなければなりません。

4 適用後5年以内は、代表者であること。この要件を満たさなくなると猶予税額の
  全額と利子税を納付しなければなりません。

5 適用後5年以内は、常時使用従業員数の80%以上の人数を雇用していること。
  業績が悪化してもリストラをすることはできません。
  この要件を満たせなくなると猶予税額の全部と利子税を納付しなければなりません。


納税猶予制度




社長個人の会社への貸付金


社長個人の貸付金

中小企業では「社長個人が会社へお金を貸し付けている」場合が
多く見られます。

中小企業では資金繰りが悪化した場合に、社長が私財を会社へ
提供することがよくあります。

社長個人が会社に貸したお金は、資金繰りの都合から戻って来ない
場合が多いのですが、相続税を計算する際には、貸付金は額面で評価
されます。

社長の会社に対する貸付金を資本金へ振り返ることができれば、
貸付金としての額面金額による評価から株式としての評価に
変わりますので、相続税を計算するときに評価額を引き下げる

ことが可能になります。

会社から見ると「負債が株式に振り替わります」
この負債の株式化のことを「デットエクイティスワップ」といいます。
DESと表記されます。

DESを実施すると、社長個人の会社への貸付金は株式へ転換しますので、
株式として評価
されます。

オーナー社長のもつ自社株の評価は、類似業種比準価額か純資産価額、
あるいは両者の割合により評価されます。

類似業種比準価額は、決算対策によって当期利益を減少させることにより、
引き下げることができます。

相続税の計算上は、貸付金の額面金額よりも小さな金額に評価を
引き下げることが可能となります。

純資産価額方式による評価の場合にも、会社が債務超過であれば
増加した資本金と債務超過額が相殺されて財産の総額が少なくなり、
相続税が軽減
されます。

ここに資産が1億円あり、負債が2億円あったと仮定しましょう。
2億円の負債のうち社長からの借入金は1億円とします。

この場合では、社長がもつ自社株式の評価額は債務超過ですから、
0円となりますが、貸付金は約1億円で評価
されてしまいます。
貸付金は「返済されるべき金額」で評価されることになっているのですが、
実務的には評価減を認めさせるのは、非常に困難です。

DESを実施して、社長からの借入金を資本金に組み入れます。
そのようにしても、負債が1億円で資産の1億円と同額にしかなりません。
自社株の評価額は0円です。そのため社長の全財産の評価額は0円となり
相続税は非課税になります。

以前は、DESは裁判所の選任した検査役の検査が必要で
手続きが非常に煩雑でした。

そのため、実施されることはほとんどありませんでした。

しかし、現在の会社法では借入金の返済期日が経過しており、
借入金額以下で現物出資をする場合
には、検査役の検査も税理士の証明も
不要になりました。

そのためにDESはとても実施しやくなりました。

社長の財産の中に会社への貸付金がある場合には、
ぜひDESの実施を検討してください。

相続が発生してからは手遅れですので、実施する場合には
早めに実施するのが得策です。

■DESの注意点

DESを実施する場合には債務は時価評価されます。この場合の時価は、
合理的に見積もられた回収可能額に基づき評価されます。

回収可能額が貸付金の額面額を下回る場合には、債務免除益が生じます。

債務免除益が繰越欠損金と相殺しきれない場合には、課税所得が発生しますので
ご注意ください。

民事再生法等の場合など一定の事実が生じた場合は、期限切れ繰越欠損金と
相殺
することができます。


DES




⑤「後継者が見つからず、社長が年老いて会社がダメになる」の回避法

M&Aによる事業承継


親族外事業承継を選択する理由

中小企業において、会社は子供が後を継いでくれなければ、親族内事業承継が
出来ず、従業員に後を継いでもらうか、外部に売却するしか方法がありません。

多くの中小企業経営者は、会社の借入金に対して個人保証をしています。
社長がまだ元気なうちに会社の借入金も含めて、事業全体の承継を完了させて
おかないと、後で大きな問題に発展してしまうこともあります。

大抵の場合は、社長の老齢化と共に会社の業績は悪化し始めます。
会社の借金が膨らみ、最悪の場合は倒産してしまうケースもあります。

多くの中小企業経営者は、借入金に対して個人保証をしているので、
個人資産を失い破産に追い込まれることもあり得ます。

中小企業経営者は老齢化に伴って判断力を失う前に、借入金を含めて
事業全体を他人に承継
させなければなりません。

従業員への事業承継

親族内事業承継が出来ない場合は、次に候補に挙がるのは従業員に対して
事業承継をする「親族外事業承継」です。

長年に渡り会社の業務を行ってきたので、事業の承継自体は
問題なく進められるからです。

従業員は資力がないことが多いので、自社株の譲渡対価が
かなり小さな金額
となってしまうことが多いです。

承継する従業員の多くが、社長の個人保証を肩代わりする
ことに対して躊躇
してしまいます。

そして、会社を牽引するだけの経営力がある従業員が
社内にいることはかなり稀なのです。

以上の理由により、従業員への事業承継がうまく行った
という事例が少ないのも事実です。

専門書などでは「LBOのスキーム」がよく紹介されています。
会社の将来のキャッシュフローを担保にして、承継する従業員が
金融機関や投資ファンドから資金調達をするというスキーム
です。
このスキームは会社の資金繰りが潤沢でないと成立しないので、
多くの中小企業オーナーにとっては、非現実的な選択肢となります。

LBO


LBOスキーム

LBOスキーム




M&Aの形態

次に会社を「外部に売却する」ことを考えてみたいと思います。
会社を外部へ売却するには、いくつかの形態があります。

■M&Aの3つの形態

1 株式売却:社長が保有する株式を外部へ売却する方法です。手続きがシンプルで、
  売却益にかかる所得税・住民税も20%と低い税率となっています。

2 事業譲渡:買い手が欲しい事業だけを切り分けて売却する手法です。
  簿外負債のリスクがなくなりますので、買い手にはメリットが高いです。
  個々の資産、契約について移転の手続が必要となります。
  許認可は基本的に引継げません。
  売却益に対する課税は、上記の株式売却の時よりも税率が高くなります。

3 会社分割後に売却:会社が不動産投資をしている場合のように、子供たちが
  継いでもよいと考えている事業と、継ぐ意思のない事業がある場合には、
  会社を分割して売りたい事業だけを切り分けて別会社にして売却します。


中小企業のM&Aの大部分は株式譲渡が行われています。
事業譲渡は現実的にはあまり使われていません。
会社分割後に売却する方法は、残したい事業がある場合には
すぐれた手法
であり、実際に用いられているケースがあります。

会社の売却価格

M&Aの場合にはDCF法などによって株価を算定するのが一般的ですが、
中小企業の場合は「純資産による評価」となるのが一般的です。

中小企業経営者の多くは、純資産を超える企業価値が会社にあると考えますが、
評価してもらえることはめったにありません。

中小企業の場合、会社経営は社長の手腕に頼っていることが多く、
買収する企業は、社長が抜けた後は業績を維持することは難しいと考えます。

仮に営業権を評価してくれても、2~5年程度の営業利益が加算される
くらいでしょう。

中小企業のM&Aの場合には、あまり高い価格がつかないことが
多いというのが実情です。

■純資産価額による会社評価の方法

1 資産は時価で評価します。含み益の分は純資産価額に加算されます。

2 含み益からは、譲渡益に対する税金分の45%が控除されます。

3 在庫や売掛金、不動産の含み損は純資産価額から控除されます。

4 簿外負債が計上され純資産価額から控除されます。リースの残債や社長の
  役員退職金は未払計上されます。


会社売却のコツ

事業承継の目的で高い価格で会社を売却するためには、
とにかく財務諸表の見栄えをよくすることが大切です。

外部売却の場合には、買収する企業からは必ず財務専門家が出てきます。
財務専門家の意見は、購入するか否かの意思決定や、売却価格の決定に
大きな影響を及ぼします。財務専門家から見て印象のよい財務諸表の会社に
しておく必要があります。

●不良資産等を早めに処分し、貸借対照表をきれいにしておく。

●不採算の事業部門や、不採算の取引先からは撤退して、収益性を高めておく。

●余剰人員はM&A後に居場所がなくなるので、できる限りの支援をして、次の就職口を見つけてあげること。これは彼らのためでもあるし、会社も収益が改善され、売却しやすくなり、自社株の評価額も高くなります。


会社売却時期

中小企業経営者が老齢化すると会社の業績は、悪化する傾向があります。
社長がご逝去された場合は特にその傾向が強まります。
会社の業績は急激に悪化していきます。

中小企業のM&Aは社長が元気なうちに、戦略的にに実施する必要があります。
赤字が拡大し続ける会社になってしまったら、売却価格の高低を論じる以前に
買収企業が現れません。

株主を整理する必要性

自社株の株主が分散しているとM&Aの妨げとなります。
買収企業は少数株主が残った状態で企業買収することはありません。

株主代表訴訟を提起されたりして、経営を妨害されるのを恐れるからです。
加えて、複数の株主と買収価格交渉はかなり面倒なことも事実です。

会社を外部へ売却する予定ならば、事前に少数株主から自社株を買い取り、
自社株の所有者を社長一人に集中させておくべきでしょう。

M&A




M&Aを行う手順


まず最初にしなければならないことは、M&Aの専門家と
アドバイザー契約を締結
することです。

アドバイザー報酬を惜しむために、自分で交渉される経営者が
いらっしゃいますが、大抵の場合は悲惨な結末が待っています。
素人で何とかなるものではありません。

買収企業が締結した専門家と交渉して嫌な思いをして
終わってしまうでしょう。

M&Aのプロセスは、買収企業からすると買収対象会社のデメリットを探して
買収価格を下げるプロセス
になります。
買収企業からすれば、高額な買い物ですから慎重になるのは当然です。

社長自らが交渉の席に着くと、相手側からの重箱のスミを突く戦略は、
往々にして感情的な対立になってしまいます。
当然ですが、両者の間にたって交渉をスムーズにすすめる専門家やアドバイザーは
必要不可欠
になります。

買収企業の社長と友人であったとしても、高額な買い物となれば、当然のように
会社を精査してきます。会社の欠点である減価要因を必ず指摘してきます。
専門家やアドバイザーを立てておかないと、後に感情的な対立から大きな問題に
発展しかねません。

M&Aプロセス ロゴ 
  M&Aのプロセス



1 仲介会社とアドバイザリー契約を締結します。アドバイザリー契約には
  「秘密保持契約条項」が盛り込まれています。従業員に動揺を与えたり、取引先の信頼を
  失ったりしないように、秘密保持維持に関しては最新の注意を払う必要があります。

2 50~200万円程度の企業評価料を払って企業の価値を評価してもらいます。

3 評価がすむと仲介会社は潜在的な買収企業を捜します。この段階では匿名の企業
  ということで打診をするだけです。

4 潜在的な買収企業が関心を示せば、仲介会社と買収企業が「秘密保持契約」
  を締結して交渉に入ります。

5 トップ同士の面談や具体的な資料に基づく検討、実地調査を経て、買収条件と買収価額で
  折り合いがつけば、基本合意が締結されます。この段階で仲介会社によっては、
  成功報酬の一部を請求してくることがあります。

6 基本合意書が締結されると買収監査が実施されます。買収企業側に弁護士や公認会計士が
  加わって、事業リスク、法務、主要契約、財務状況を精査します。
  この結果をうけて重要な発見があれば買収条件と買収価格が調整されます。

7 両者が合意すれば最終契約の締結となります。そして、M&Aの対価が授受されて
  アドバイザーに成功報酬を支払います。


M&Aのプロセス




会社を分割して売却する方法


中小企業経営者が複数の事業を営んでいる場合、後継者である子供たちが
継いでも良いと考えている事業と、継ぐ意思のない事業
がある場合が出てきます。
そのような場合には、会社を分割して売りたい事業だけを切り離して、
別会社にして売却
する方法があります。

会社を分割して売却


会社分割して売却する手順

会社分割後に会社を売却する場合には、適格分割とならず
営業権部分に法人税や地方税が課せられてしまうので、
税負担は大きく
なります。

このスキームを使えば、経営者には譲渡益に対する20%の
申告分離課税
が課されるだけです。

経営者は事業承継したい事業を受け入れる受け皿会社を用意します。

受け皿会社は、開業してから3年以上経過した会社が望ましいです。
開業3年未満だと相続税法上は「純資産価額による評価が強制」されます。

事業を受け皿会社に移転するときには、不動産の含み益や、
営業権に課税されないためには、会社分割が共同事業要件といわれる
適格分割の要件を満たす必要
があります。

そのためには、B社は分割する事業とシナジー効果のある事業を
営んでいる必要があります。シナジー効果の意義はとても広く解釈
されているので、神経質になる必要はありません。

共同事業要件の株式継続保有要件には、意外にもA社の株式の継続保有は
含まれない
ので、A社を売却しても非適格とはならず、
経営者には譲渡益に対する20%の申告分離課税が課されるだけです。

共同事業要件には、金銭等不交付要件、按分型要件、従業員引継要件、
事業継続要件、規模要件または経営参画要件、主要資産等引継要件、
B社株の株式継続保有要件がありますので、要件に注意してください。

会社分割




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 法人保険の知識 相続・事業承継編



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