D&Iに取り組みたい方へ

ダイバーシティの前提は
パフォーマンスを評価すること

多くの企業で問題となっている制度のひとつに「時短勤務」があります。改正育児・介護休業法によって定められた「3歳未満の子どもを育てている」ことを条件に、原則として「1日6時間以内の短時間勤務」が認められていますが、現実的には多くの時短勤務者が職場で肩身の狭い思いをしているという現実があります。
ダイバーシティの目的は「組織や社会が成長する」ためのものであり、その人の力が最大限に発揮されるから、成長が実現できるのです。時短勤務を許すのは、その人が短時間労働でも成果をあげて組織に貢献するからであり、また勤務時間以降の体験がその人の中に新しい視点を育み、それが仕事上でプラスに作用するからです。

2003年「性同一障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律」が制定されて、企業では性同一性障害者への取り組みが始まり、2014年には「男女雇用機会均等法のセクハラ指針」が改正されてLGBTへの差別もセクハラの対象になりました。企業においても、LGBTの人たちの悩みを取り除き、ストレートの人たちとともに仕事に専念できる環境づくりに取り組むところも出始めています。しかし、解決しなければならない問題も多くあります。社会保障の限界や組織の中での福利厚生の問題。キャリアのロールモデルがない、取引先や顧客との関係で気をつける問題などは対応が必要になります。逆に、LGBTの人たちのもつ「視点の多様性」は大いに役立ちます。旧来の固定概念しか持たない経営陣よりも、新たな視点を持つ人たちが組織を動かしていく方が、多様なステークホルダーに受け入れられる経営ができるハズです。

「すべての個人が特別である 」という前提
それがインクルージョンの本質

インクルーシブな企業文化をつくるためには「すべての個人が組織の一員として受け入れられ、疎外感を持たず自分の価値が認められて、組織の意思決定や活動に参加できていると感じられる」ことが大切になります。それと、もう一つ大切なのが「アンコンシャスバイアス」である。人は生きていくために無意識のバイアスを持っています。それを悪として非難し排除するのではなく、全員が持っていることを認めて、そのバイアスが意思決定に与えるネガティ ブな影響を軽減させること。アンコンシャスバイアスは長い間に形成されてきたものです。自らが人生の中でどんな価値基準を持ってきたのか「どのようなメガネをかけているのか」を認識し「かけているメガネはみんな違っていて、同じものを見ても見え方が違うことに気付く」ことが大切です。

ダイバーシティは「MIX」で、インクルージョンは「Making the MIX work」です。ダイバーシティは違いを持った多様な人たちが共存している状態であり、それを機能させるのがインクルージョンです。インクルージョンが実現すれば、創意工夫の機会が増えて、イノベーションが起こりやすくなる。だからこそ、誰もが意見を出して、建設的な議論が行われる組織風土を目指さなければならない。ダイバーシティだけで、インクルージョンがない組織では「個人が持てる能力を100%発揮すること」が阻害されている可能性があります。多くの日本企業のダイバーシティの進展は、緩やかにとどまっているかも知れません。インクルージョンが目指すのは「 組織で働くすべての人が100%の力を発揮できる風土をつくること」です。 人的資源の価値を最大化しようとする企業ならば、取り組むべき課題になります。

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